国際問題ウェビナー ご案内

『国際問題』発行から概ね1か月後を目途に、執筆者によるウェビナーを開催いたします。
特集全体を踏まえた執筆者間の議論をウェビナーで開催することにより、執筆時よりアップデートされた情報を提供でき、 読者の方々にとっても研究の一助・理解の深まりにつなげていただける機会となっております。

イベントの概要

国際問題ウェビナ―「人口減少と新興国の行動原理」を論じる

開催日 : 2022年9月22日(木) 15:00―16:15
申込締切: 2022年9月21日(水)
会場 : オンライン(Zoom)

登壇者:
 鬼頭宏・上智大学名誉教授(モデレータ―)
 (巻頭エッセイ:短期の人口動態変化はどのような転換を迫るのか?)
 大泉啓一郎・亜細亜大学アジア研究所教授
 (中国:人口動態から持続的な経済成長の課題を考える ~人口塊への政策がカギ~)
 近藤正規・国際基督教大学上級准教授
 (人口大国インドとその全方位外交)
 雲和広・一橋大学経済研究所教授
 (ロシアの人口減少と外国人労働の受容:ロシアからみた移民政策)
 近田亮平・アジア経済研究所地域研究センター・ラテンアメリカ研究グループ長
 (ブラジルの少子高齢化と内政の安定性 ―増加する高齢者と大統領選挙を前に関心を高める若者)

 9月の『国際問題』ウェビナーでは、「人口減少と新興国の行動原理」をテーマとする『国際問題』誌2022年8月号の著者が、それぞれの考察を踏まえて、執筆時以降の最新の動きや他の執筆者の分析との関連を含めて議論し、特集テーマをさらに深く掘り下げます。登壇者による同号の主な論点は以下のとおりです。
 21世紀の世界の人口動向は複雑になり、地域ごとに異なる影響や新たな形の国際人口移動を引き起こすだろう。「Society 5」とも呼ばれるポスト産業社会への円滑な移行を成功させ、新たな世界システムを構想する必要がある。中国の高齢化は「未富先老(豊かになる前に老いる)」と表現される途上国型であり、一人っ子政策により形成された人口塊への今後10年間の施策によって、長期的な展望が大きく変わる可能性がある。2023年に世界最大の人口大国になるインドが、全本位外交の姿勢を変化させることは考えにくいが、インドを味方につけるメリットは大きい。ロシアは、ソ連崩壊後の出生率低下と死亡率上昇の中で旧ソ連諸国在外同胞の帰還促進と外国人労働の大規模な導入を図ったが、同化か隔離かという移民受入国家の課題への対応を確定していない。ブラジルでも近年少子高齢化の傾向が顕著となっており、ボルソナロ政権の下で不安定化した内政を背景に、大統領選挙を前にして若者の政治への関心が高まっている一方、その影響力は低下している。
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