日本国際問題研究所は3月10日、国際海事機関(IMO)設立の教育・研究機関であるWorld Maritime University Sasakawa Global Ocean Institute(WMU-GOI)所長Ronán Long教授を迎え、意見交換を実施しました。当所からは、佐々江賢一郎理事長、松本太本部長、高地雅夫領土センター長、大谷壮生研究員、玉水玲央研究員が出席し、現下の厳しい国際情勢、更にそれを踏まえた今後のシンクタンク・大学連携の在り方について議論が行われました。
WMU-GOIは、当所が毎年共催機関となり参加している海洋法分野で世界最大の国際学術会議「海洋法国際会議」の主催機関であり、Long所長からは「持続可能な開発目標(SDGs)」に則った海洋研究の重点化、また発展途上国の専門家育成に力を入れてきた設立以来の実績に触れ、本年インド開催が決まった第48回海洋法国際会議での当所の協力・支援に期待を示しました。他方、佐々江理事長からは、米国トランプ新政権の単独主義的な外交姿勢について言及があり、国連など国際問題を多国間の枠組みで共同対処する多国間主義、また力に依存せず紛争解決を目指す「法の支配」等の原則をWMU-GOIはじめ各連携機関と粘り強く発信、実践していくことの重要性を強調しました。