2023年度:各研究会開催実績、成果物等

1. 領土紛争解決方式研究会

(1) 趣旨

国際判例やその他の領土紛争解決事例の最新の動向及び領土に関わる国際法概念の使われ方や意義の変化などについて、特に日本の領土問題を念頭に置いて論点を整理して検討を行っている。

(2) 開催実績

第6回会合/2023年度第1回会合 2023年5月30日
議題:領域紛争における国境画定条約とeffectivitésの関係再考
発表者:酒井啓亘 (京都大学大学院法学研究科教授)
第7回会合/2023年度第2回会合 2023年8月22日
議題:『日本の島をめぐる問題に係る国際法の相互作用』―領域権原に係る法と海洋法―(その2)
発表者:兼原敦子(上智大学法学部教授)
第8回会合/2023年度第3回会合 2023年11月28日
議題:領土帰属の主張・判断と地図
発表者:深町朋子(福岡女子大学国際文理学部国際教養学科教授)
第9回会合/2023年度第4回会合 2024年2月22日
議題:係争地域における軍事活動、占領、行政活動の評価
発表者:新井京(同志社大学法学部教授)
第10回会合/2023年度第5回会合 2024年3月26日
議題:「黙認(acquiescence)に関する近年の判例と学説」
発表者:北村朋史(東京大学大学院総合文化研究科准教授)

(3) 委員

兼原 敦子 (主査) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
新井 京 同志社大学法学部教授
北村 朋史 東京大学大学院総合文化研究科准教授
酒井 啓亘 京都大学大学院法学研究科教授
深町 朋子 福岡女子大学国際文理学部国際教養学科教授

2. 「領域」概念の歴史的変遷研究会

(1) 趣旨

近代国際法関係の成立以前のアジアの空間秩序観とその実態を検討し、現代の領土問題に関係づけて論点を整理して検討を行っている。

(2) 開催実績

第6回会合/2023年度第1回会合 2023年8月1日
議題:新南群島の所属をめぐる日仏英の争い―フランスの史料館所蔵資料の分析を中心として―(中間報告)
発表者:柳原正治 (放送大学教養学部特任栄誉教授)
第7回会合/2023年度第2回会合 2023年12月18日
議題:明治・大正期日本の海底ケーブル敷設と国際関係
発表者:山田哲也(南山大学総合政策学部総合政策学科教授)
第8回会合/2023年度第3回会合 2024年1月29日
議題:勢力圏概念の現代的地平と歴史的分析
発表者:佐々木雄一(明治学院大学法学部准教授)
第9回会合/2023年度第4回会合 2024年3月19日
議題:幕末期日本のカラフト「領有権」主張とその根拠
発表者:西嶋美智子(久留米大学准教授)

(3) 委員

柳原 正治 (主査) 放送大学教養学部特任栄誉教授
佐々木 雄一 明治学院大学法学部准教授
西嶋 美智子 久留米大学法学部国際政治学科准教授
山田 哲也 南山大学総合政策学部総合政策学科教授

3. 日本政治外交史研究会

(1) 趣旨 

明治前半及びサンフランシスコ講和条約後の我が国の歩みに焦点を当て、両時期の比較を主軸とした分析を行っている。

(2) 開催実績

第1回会合 2023年5月10日
議題:「Transwar Japan」について
司会:五百旗頭薫(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
発表者:アンドルー・ゴードン(ハーバード大学教授)
第2回会合 2023年6月26日
議題:今後の研究会の進め方等について
第3回会合 2023年7月20日
議題:ローカル・インタレストの構成:日本政治史における土木インフラ
司会:赤川尚平(日本国際問題研究所研究員)
発表者:稲吉晃(新潟大学人文社会科学系経済科学部教授)
第4回会合 2023年11月28日
議題:2024年3月に開催予定のシンポジウムに向けての準備会合
発表者:伏見岳人(東北大学大学院法学研究科教授)
第5回会合 2023年12月7日
議題:歴史学のなかの経済史―日本経済史を中心に
発表者:浅井良夫(成城大学名誉教授)
第6回会合 2023年12月22日
議題:選挙がムラにやってきた――近代日本社会は代表制をどのように正統化したのか――
発表者:有馬学(九州大学名誉教授)
第7回会合 2024年1月25日
議題:2024年3月に開催予定のシンポジウムに向けての準備会合
発表者: 玉置敦彦(中央大学法学部准教授)
福岡万里子(国立歴史民俗博物館研究部准教授)
第8回会合 2024年2月19日
議題:「長い20世紀」の視点から見た日本外交
発表者:中西寛 (京都大学大学院法学研究科教授)

(3) 委員

五百旗頭 薫 (主査) 東京大学大学院法学政治学研究科教授
稲吉 晃 新潟大学人文社会科学系経済科学部教授
井上 正也 慶應義塾大学法学部教授
楠 綾子 国際日本文化研究センター教授
佐々木 雄一 明治学院大学法学部准教授
佐藤 信 東京都立大学法学部准教授
高橋 和宏 法政大学法学部教授
玉置 敦彦 中央大学法学部准教授
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館研究部准教授
伏見 岳人 東北大学大学院法学研究科教授
前田 亮介 北海道大学大学院法学研究科准教授
村井 良太 駒澤大学法学部教授

(4) 成果物

稲吉晃「ローカル・インタレストの構成:日本政治史における土木インフラ」
浅井良夫「歴史学のなかの経済史─日本経済史を中心に」
有馬学「選挙がムラにやってきた──近代日本社会は代表制をどのように正統化したのか──」
中西寛「『長い20 世紀』の視点から見た日本外交」

4. 東アジア史研究会

(1) 趣旨 

日本とアジア諸国との関係再構築の過程を検討することで、日本外交が向き合う課題について議論を行っている。

(2) 開催実績

第1回会合 2023年6月21日
議題:関東大震災100年と「中国人虐殺事件」への視角−労働力移動の観点から見る−
報告者:川島真(東京大学大学院総合文化研究科教授)
第2回会合 2023年7月12日
議題:批評:ラナ・ミター著、関智英監修・濱野大道訳『中国の「よい戦争」―甦る抗日戦争の記憶と新たなナショナリズム』 みすず書房、2022年
報告者:関智英(津田塾大学学芸学部准教授)
第3回会合 2023年9月11日
議題:「学術外交を通じたタイ中関係の再定義:Sitthithep Eakshitphong『タイを中国として記す』書評」
発表者:青木まき(日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター動向分析研究グループ長代理)
第4回会合 2023年10月16日
議題:韓国における中共・中国呼称問題:1970~80年代を中心に
発表者:小林聡明(日本大学法学部教授)
第5回会合 2023年11月20日
議題:「批評:王広濤『日中歴史和解の政治学』明石書店、2022年」
発表者:杉浦康之(防衛省防衛研究所主任研究官)
第6回会合 2023年12月11日
議題:中国の各国との関係正常化とその形式:中華民国の位置付けをめぐって
発表者:三宅康之(関西学院大学国際学部教授)
第7回会合 2023年12月20日
議題:米中国交正常化/米華断交の再検討
発表者:福田円(法政大学法学部教授)
第8回会合 2024年1月30日
議題:内戦と国際機構―中国内戦における代表権問題や難民問題を中心に
発表者:帶谷俊輔(成蹊大学法学部准教授)
第9回会合 2024年3月5日
議題:習近平「新時代」の歴史認識-中国社会科学院院長高翔の歴史学・歴史教育論-
発表者:川島真(東京大学大学院総合文化研究科教授)

(3) 委員

川島 真 (主査) 東京大学総合文化研究科教授
青木 まき 日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター動向分析研究グループ長代理
岩谷 將 北海道大学大学院公共政策学連携研究部教授
井上 正也 慶應義塾大学法学部教授
帶谷 俊輔 成蹊大学法学部准教授
小林 聡明 日本大学法学部教授
杉浦 康之 防衛省防衛研究所主任研究官
関 智英 津田塾大学学芸学部准教授
福田 円 法政大学法学部教授
三宅 康之 関西学院大学国際学部教授

(4) 成果物

川島真「関東大震災100 年と『中国人虐殺事件』への視角―労働力移動の観点から見る―」
関智英「批評『中国の「よい戦争」―甦る抗日戦争の記憶と新たなナショナリズム』」
青木まき「学術外交を通じたタイ中関係の再定義」
小林聡明「韓国における『中共』『中国』呼称問題:1970 ~ 80 年代を中心に」
杉浦康之「書評:王広涛著『日中歴史和解の政治学―「寛容」と「記憶」をめぐる戦後史』」
三宅康之「中国の各国との関係正常化とその形式:中華民国の位置付けをめぐって」
福田円「米中国交正常化・米華断交の再検討」
帶谷俊輔「内戦と国際機構―中国内戦における代表権問題や難民問題を中心に」
川島真「習近平「新時代」の歴史認識―中国社会科学院院長高翔の歴史学・歴史教育論―」

5. 国際政治史研究会

(1) 趣旨 

日本と欧米諸国の関係を中心にしながら、国際社会における日本の歩みを広く分析している。

(2) 開催実績

第1回会合 2023年6月9日
議題:安保改定と東アジアの安全保障
報告者:西村真彦(国際日本文化研究センター機関研究員)
第2回会合 2023年年8月2日
議題 :冷戦終焉期の日米関係―分化する総合安全保障
報告者:山口航(帝京大学法学部専任講師)
第3回会合 2023年9月19日
議題 :「戦後外交」の再検討
報告者:白鳥潤一郎(放送大学教養学部准教授)
第4回会合 2023年10月23日
議題:イギリスとジュネーヴ軍縮会議(1932-1934年):軍縮から再軍備へ
報告者:大久保明(名古屋大学大学院法学研究科准教授)
第5回会合 2024年2月20日
議題:戦間期の平和構想の再検討──平和的変更論を中心に
報告者:中谷直司(帝京大学文学部准教授)

(3) 委員

細谷 雄一 (主査) 慶應義塾大学法学部教授
板橋 拓己 東京大学大学院法学政治学研究科教授
井上 正也 慶應義塾大学法学部教授
大久保 明 名古屋大学大学院法学研究科准教授
楠 綾子 国際日本文化研究センター教授
合六 強 二松學舎大学国際政治経済学部准教授
白鳥 潤一郎 放送大学教養学部准教授
高橋 和宏 法政大学法学部教授
詫摩 佳代 東京都立大学法学部教授
中島 琢磨 九州大学大学院法学研究院准教授
西村 真彦 国際日本文化研究センター機関研究員
樋口 真魚 成蹊大学文学部准教授
藤山 一樹 大阪大学人文学研究科講師
松本 佐保 日本大学国際関係学部教授
宮下 雄一郎 法政大学法学部教授
森 聡 慶應義塾大学法学部教授
山口 航 帝京大学法学部専任講師

(4) 成果物

山口航「冷戦終焉期の日米関係―分化する総合安全保障」
大久保明「イギリスとジュネーヴ軍縮会議(1932-1934年):軍縮から再軍備へ」
中谷直司「戦間期の平和構想の再検討―現代の戦争原因論との対比・類比で」