
北朝鮮「戦術核兵器化」の現段階 ――KN-23の効用と多様化
- 2021-11-12
- 倉田秀也(防衛大学校教授・グローバルセキュリティセンター長/日本国際問題研究所客員研究員)
二つの大洋を結ぶインド太平洋地域において、海洋安全保障やインフラ開発の分野で大国間の競争が激しさを増しています。二つの海の結節点ともいえる南シナ海では、中国による人工島の建設や軍事化により近隣諸国のみならず米中間でも緊張が高まっており、資源の輸入を海上交通路に依存する日本にとって国際法や法の支配の原則の維持が重要な課題となっています。また、インフラ開発をめぐっては、依然として域内のインフラ需要は十分に満たされておらず、中国の一帯一路政策の他、日米の「自由で開かれたインド太平洋」政策が、インフラ市場のみならず、開発に関する規範や秩序をめぐって主導権争いを繰り広げています。当研究所では、インド太平洋地域における国際秩序をめぐる大国間競争とその行方、ならびに日本の針路について内外の有識者を交え、検討しております。